前回の記事で「基準価格とは何か?」を説明しました。
積立商品の見直しの重要性をお分かりいただけたと思います。
まだご覧いただいてない方は、先にこちらをご覧ください。
【知らないと損する】投資信託の「基準価格」ってなに?│つみたてNISA・iDeCoの基礎知識
今回は「基準価格が下がる・伸びない3つの原因」を説明します。
原因を知ることで「積立商品のどこを見直せばいいのか」「良い商品を選ぶポイント」を理解することができます。
前回同様「投資信託 = ニワトリ」を前提に、「分配金 = ひよこになる卵」を補足して、わかりやすく説明します。
ぜひ、最後までご覧ください。
分配金 = ひよこになる卵 とは?
分配金とは、一般的に「決算日における運用益から諸費用を引いた金額を投資家に分配するもの」と言われています。
ニワトリ小屋の物語に「分配金 = ひよこになる卵」を補足して、説明します。
ニワトリ小屋では、ニワトリを購入してくれた人にお礼をしています。
お礼の内容・タイミングは、ニワトリ購入時に確認できます。
よくあるお礼は次の通りです。
① あなたのニワトリが産んだ卵の一部は、月に一度あなたに配られ、卵を食べることができます。
② ニワトリ小屋は、年に一度「あなたのニワトリが産んだ卵の一部」を私のモノにしてくれます。
ただし、その卵を食べることはできず、ニワトリ小屋で育てます(ひよこ、ニワトリになる)。
分配金とは、①や②で配られる「ひよこになる卵」のことを言います。
下の式の赤字部分をイメージしてください。

なぜ、原因が分かるの?
なぜ、基準価格が下がる・伸びない原因が分かるのか?
イメージ図1の式を見れば、原因がわかります。
計算式は分子(線より上の部分)だけが小さくなれば、答えも小さくなります。
また、分母(線より下の部分)だけが大きくなれば、答えは小さくなります。
計算式によると、基準価格が下がる・伸びない原因は2パターンです。
(1)ニワトリ小屋の運営規模(純資産総額)が小さくなる
(2)ニワトリの数(総口数)が増える
ただし、(2)ニワトリが増える場合、将来産まれる卵が増えることに関係するため、(2)は原因から外します。
そのため「基準価格が下がる・伸びない原因」は(1)だけ考えます。
では、具体的に3つの原因を解説していきます。
時価評価額の下落
分配金の受け取り方
運用コストが高い

原因1:時価評価額
時価評価額とは「鶏・卵・ひよこを今売って、売れる値段」のことです。
例えば、あなたの購入したニワトリが価値の高い「名古屋コーチン」の場合、時価評価額は下がりにくいでしょう。
将来、名古屋コーチンよりも高級なニワトリが現れた場合は、時価評価額が下がるかもしれません。
出来るだけ「長期に渡って価値の高い投資信託」を持っておいた方が良いことがわかります。
投資信託は、長期で持ち続けてこそ意味のある商品です。
一時的に成長する商品(ex.テクノロジー、新資源 等)を選ぶのではなく、
長期で成長する商品(全世界株、人口増加中で成長しているの国の株)を選びましょう。
見直しをする際は、目論見書の円グラフを参考にしましょう。
どんな商品に何%投資しているか、とても分かりやすいのでオススメです。

原因2:分配金の受け取り方
分配金とは、「ニワトリを購入したお礼(ひよこになる卵)」のことです。
お礼の受け取り方が2種類あるとしたら、あなたはどちらを選択しますか?
①あなたのニワトリが産んだ卵の一部は、月に一度あなたに配られ、卵を食べることができます。
②ニワトリ小屋は、年に一度「あなたのニワトリが産んだ卵の一部」を私のモノにしてくれます。
ただし、その卵を食べることはできず、ニワトリ小屋で育てます(ひよこ、ニワトリになる)。
あなたが選ぶべきは②です。
①の場合、卵を食べてしまうと、将来ニワトリになる卵を減らしてしまいます。
②のように、卵をひよこにして、ニワトリまで育てましょう。
そうすれば、あなたが将来ニワトリを売った時に受け取る現金は、びっくりするほど増えるでしょう。
では、投資信託に置き換えて、お礼の受け取り方を確認しましょう。
①は「分配金受取型」、②は「分配金再投資」を指しています。
分配金再投資を選びましょう。
もし、分配金再投資を選択できない商品を積み立てていたら、購入商品を変更しましょう。
基準価格が伸びない大きな原因の一つです。

原因3:運用コストの高さ
運用コストは「ニワトリを育てるために必要な費用(エサ代、ニワトリ小屋の維持費 等)」です。
ニワトリを低コストで育てることで、ニワトリを売った時の利益は大きくなります。
反対に高コストの場合、あなたはニワトリ小屋に、ぼったくりされている可能性があります。
コストは低い方ものを選び、あなたのお金を守りましょう。
投資信託を積み立てるには、3つのコストがかかります。
・購入時手数料
投資信託を購入するときに支払う費用です。
優良な投資信託の場合、「購入時手数料:無料」です。
必ず、無料の商品を選びましょう。
・信託報酬(管理費用)
投資信託を保有しているときにかかる費用です。
このコストを甘く見てはいけません。
たった0.1%でも、複利の力で大きく膨れ上がります。
少しでも安い商品を選びましょう(信託報酬:0.2%以内推奨)。
・信託財産留保額
投資信託を売却するときに支払う費用です。
優良な投資信託の場合、「信託財産留保額:無料」です。
必ず、無料の商品を選びましょう。
ぜひ、この機会に見直しましょう。

最後に
基準価格が下がる・伸びない原因はお分かりいただけましたか?
原因をちゃんと理解して、ぼったくり商品を選ばないことはとても大切です。
オススメされた商品が、必ずしもいい商品とは限りません。
自分自身で、優良な商品を見極める手助けになれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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